トスカ

昨日、ソフィア国立歌劇場のオペラ《トスカ》を観てきた。

5限でオペラについての講義を聞いた足で、県民文化センターへ。


トスカは楽譜も一通りみていたし、物語もあらすじは知っていたので安心して鑑賞できる。

県民の日にちなんで、序曲の代わりに県民の歌の合唱が演奏されたことには驚いたが。

 


やはり、オペラはいいなと思った。


5限が終わってタクシーで駆けつけたらしい谷川先生と会って、オペラについて話をした。

「オペラの話は、これからも、授業じゃなくても気楽に話しましょう。」

と言ってくださったのでたくさん聞きに行こうと思う。

 

 

 


その帰り道、一組の老夫婦に声をかけられた。

 

無口なおじいさんに、お洒落なおばあさん。

 

良いステージを観た後で、気持ちが高ぶっていたせいもあるだろう。

おばあさんの話を聞いていたはずが、いつの間にかわたしも自分のことを話していた。

 

わたしの夢を、本気で誰かに話したのははじめてかもしれない。

 

別れ際は、さようならではなく、

「御幸せに!」

と言われた。

 

 

 

 

はじめて本物のオペラをみたこと。

ある老夫婦との偶然の出会い。


それらに影響されて、もう、ドキドキが止まらなくて。

苦しくなるくらい胸がいっぱいで。

 


こんな時は、街中がきらきらして見える。

帰りの電車は、まるで未来へと向かっているようだった。

 


ここのところ、いろいろ思うことがあって。

というか、ずっとずっと前から目の前に霧が出ているようで。

これが晴れることは、もしかしたらこれから先もあるのかどうか分からないけれど、

昨日のあの瞬間は、間違いなく今日の空のように晴れ渡っていた。

 


本当に、本当に、素敵な夜だった。