病気

Colors

教卓の位置から見える紅葉があまりにきれいで、授業中にも見惚れて言葉が止まってしまうほど。 最近は登校時刻も暗くなってきたけれど、子どもたちと一緒にピンク色の朝焼けを眺められるのが嬉しい。 朝から「先生!下弦の月がすごくきれいですよ!」って言…

reminder

あの時と同じだ、と思った。 あの時と。 救急車の音こそ違えど、乗せられる時に見上げた空は同じだった。 いや違う。 あの時は快晴だったっけ。 今日は少し雲がある。 とはいえ、最近曇り空ばかりがったのに、こんなに晴れているなんて珍しい。 また子どもた…

卒業式前夜

夢を見ました。 しんしんと雪の降る中、白く染まった旧本館の前で、音もなくふわりと倒れたわたし。それからは、真っ暗で何も見えなくて、何も聞こえなくて。 わたしはたった一人で。 叫びたいのに声が出ない。 逃げ出したいのに体が動かない。 すると、突然…

硝子戸の中

今の私は馬鹿で人に騙されるか、あるいは疑い深くて人を容れる事ができないか、この両方だけしかないような気がする。 不安で、不透明で、不愉快に充ちている。 もしそれが生涯つづくとするならば、人間とはどんなに不幸なものだろう。 (夏目漱石・随筆『硝…

休止符

私の定位置である保健室の窓側のベッドには、いつも不安ばかりが堆積している訳ではありません。 今日みたいに曇り空がだんだん晴れていく時は、 ベッドの上の布団にさえ優しさを感じられます。 今日は、ピンクのカーテンにかかる陽射しが、とても眩しく感じ…

救急車

昨日の、晴れ渡った青空を、鮮明に覚えています。 気がつくと、 左腕には点滴、 口には酸素マスク、 そして心電図のピッ・ピッ・ピッ…という音。 意識がはっきりしてくればくるほど、 頭の中では様々な感情が交錯して、何も考えたくなくなりました。 今日は…