2012-01-01から1年間の記事一覧

トスカ

昨日、ソフィア国立歌劇場のオペラ《トスカ》を観てきた。 5限でオペラについての講義を聞いた足で、県民文化センターへ。 トスカは楽譜も一通りみていたし、物語もあらすじは知っていたので安心して鑑賞できる。 県民の日にちなんで、序曲の代わりに県民の…

リセット

なんだかよく分からない。 上手く言えないけれど、たった今、“一高”が“思い出”になってしまった気がする。 忘れたくないのに。 いろいろなことを忘れてしまったのではないかと不安になる。 やっぱり、制服というものを脱いだあの瞬間から、人生は大きく変わ…

将来の夢

人生において、出会いは大切な要素のひとつ。 この土地に引っ越してきて、 中学校の音楽の先生に出会って、 音楽の先生の紹介でピアノの先生に出会って、 いろいろなことがあってこの大学に入って、 この大学に入ったことでいまの先生方に出会って、 このチ…

ウンメイノゴトキコイ

不意に、あの寒い日のことを思い出した。 あの日は満月だった。 春の気配はまだ遠く。 はじめは曇っていたのに、だんだん晴れて、突然、月の全貌が露になった。 月が金色に光っているのを見て、わたしは外に飛び出した。 オリオンの三つ星が、きれいに見えて…

お掃除

お片付けは苦手です。 捨てられないから。 テスト用紙。 読んでもいないアカンサス。 教科書・ノート。 お洋服を買った時の袋。 紅茶の空き缶。 包装紙にリボン。 小さくなったお洋服。 壊れた懐中電灯。 使い終わった電池。 川上弘美さんの描いたセンセイに…

卒業式

先程、制服を脱ぎました。 肩の荷が、1つ下りたような気がしました。 実際は増えたのかもしれないけれど。 脱皮をした蝶の気分です。 いや、蝉の方が相応しいでしょうか。 終わったんだな、と思いました。 制服を着るのも、 自分の席があるというのも、 み…

卒業式前夜

夢を見ました。 しんしんと雪の降る中、白く染まった旧本館の前で、音もなくふわりと倒れたわたし。それからは、真っ暗で何も見えなくて、何も聞こえなくて。 わたしはたった一人で。 叫びたいのに声が出ない。 逃げ出したいのに体が動かない。 すると、突然…

2月9日

2月9日、漱石の誕生日。 ついに来ました。 国立前期試験の受験票が。 以下、漱石の文より引用。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~ 人間の目的は、生まれた本人が、本人自身につくったものでなければならない。 前後を切断せよ、満身の力をこめて現…

自信

ピアノの先生にも言われた。 「自信を持ちなさい」 と。 どんなに素晴らしいピアニストでも、本番前は緊張する。 袖ではいつも、ステージに立つ不安や焦燥との葛藤が繰り広げられている。 けれど、みんな、図太い軸を持っている。 その根拠になっているのが“…

硝子戸の中

今の私は馬鹿で人に騙されるか、あるいは疑い深くて人を容れる事ができないか、この両方だけしかないような気がする。 不安で、不透明で、不愉快に充ちている。 もしそれが生涯つづくとするならば、人間とはどんなに不幸なものだろう。 (夏目漱石・随筆『硝…