2013年1月14日、音楽科主催の作品発表演奏会があった。
日之春先生の作曲特別演習ゼミ生による作品発表のためのコンサートで、もちろん全曲世界初演。
1年以上前から企画されていたらしい。
わたしは、理工学研究科のI先輩から、
「わたしの作った曲を弾いてもらえませんか?」
と声をかけていただき、演奏者として出演することになった。
声をかけていただいたのは秋頃だったが、本格的に練習がスタートしたのは12月。
日之春先生やI先輩とのレッスンでは、院の先輩方からのアドバイスをいただきながら、とても面白い曲作りの時間を過ごすことができた。
本番は雪の日。
辺りが真っ白になるくらいの雪の日だった。
少しだけれどお化粧して、髪をアップにして気合いを入れて行ったら、日之春先生に
「今日はどうした!」
と言われ……
(普段は高校生みたいだから、ということらしい。笑)
あやちゃんとピンクでそろえたロングドレス。
先輩方に褒めてもらって、お世辞だと分かっていながら照れた。
フェルメールの絵に出てくる女の子みたい、だなんて。
本番のステージは緊張したけれど、純粋に、とても楽しかった。
I先輩に
「二人にお願いして良かった」
と言われたことが本当に嬉しかった。
何より、作曲者のすぐそばで音楽を作るという、未知の体験ができたこと。
とても良い勉強になった。
帰りは雪で電車が止まって大変だったが、大学を出るとき、日之春先生に呼び止められて、
「あの難しい曲、よくさらったな。
お前の音、すごくきれいだった。
これからも頼むぞ。」
と言われて、心が震えた。
音楽そのものの未来を託されたような気がして、鳥肌が立った。
I先輩、本当にありがとうございました。
あやちゃんも、本当にありがとう。
とても短い間でしたが、わたしたちに音楽というものを教えてくださった松本日之春先生…
本当に本当に、ありがとうございました。
明日が日之春先生の最後の授業。
しみじみする。