In to the Night

最近心動かされたものたち。

 

 

 

①ピアニスト 角野隼人さん

 

アレンジで本家本元と違う良さを出せるのはリストくらいだと思っていたけれど(大袈裟)、角野さんのアレンジはとてもすてき。

センスの問題だけではなくて、膨大な知識と、努力の賜物なのだろうなと思う。

そして今回の着眼点と表現が、もう、ね。

 

https://youtu.be/Avjph7bJ2SQ


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②映画 劇場 / 原作 又吉直樹

心が荒んでいたので、部屋を真っ暗にして映画を観た。

スピーカーから聴こえる雑音も、主人公の語りも、なんとも言えないテンポ感も、心地良かった。

荒んだ心にズキズキ刺さって、ますます病むような映画だった。

アマゾンプライムで、コロナ禍の特別上映のような感じで無料で、期間限定で公開されたのでありがたい。もう一度、映画館で観たいと思った。

 

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③蝉の抜け殻

理科の実験のために、100円ショップで買ってきたきゅうりとゴーヤ。

きゅうりは最近立派に実り、収穫もできた。ゴーヤも恐らくもう少ししたら立派に育つだろう。

その葉っぱに、あまりに綺麗に残っていた、蝉の抜け殻。

 

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④ネオワイズ彗星

せっかく久しぶりに晴れたから、日没から外をふらふらしていたが、ちょうど大熊座の下半分あたりからの雲が無くならず、カメラで露光時間長めに撮ってみてもだめだった。

土星木星も綺麗に見えているのに。また1週間先まで雨や曇りが続きそうなのに。

だれか、わたしを雲のない場所まで連れて行って…… と叫びたい気分だった。

写真家のKAGAYAさんの写真を拝借。

こんなに綺麗だったらしい。

 

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谷川俊太郎さん

チャールズ・M・シュルツ氏が半世紀にわたって描き続けた『ピーナッツ』1万7897作。その全作品の翻訳を、谷川俊太郎氏がついに終えられたそうだ。

わたしがスヌーピー好きになったきっかけは谷川俊太郎さんなのだ。

全作品翻訳だなんて。すごい。全て読みたい。

 

https://twitter.com/shuntarot/status/1281038142225539072?s=21&t=8btja7ppnqpV4ypHeglo5g

 

 

 

⑥選挙

最近は都知事選が話題になったけれど、ドイツのある団体が実施した投票率をあげるアイデアが単純明快で膝を打った。

通常はアクセスできないエルプフィルハーモニーのコンサートホールの舞台や、サッカークラブのボルシア・ドルトムントの更衣室などに投票所を設置した結果、投票率が13%アップしたそうだ。

 

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Country Roads #2

#みんなでカントリーロード が、公開から2週間、J1の再開幕前日の今日、再生回数1万回を突破していました。

ここで、編曲&ピアノを担当させていただいたわたし(https://twitter.com/revegalta/status/1267069792642424835?s=21)から、こんな小話をば。

 

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では、突然ですが、問題です。

この #みんなでカントリーロード の音の土台はLihoさんの歌のイメージに合わせて作りましたが、ベガルタらしさを追求したい気持ちが抑えきれず、あるアソビゴコロを忍ばせました。

さて、それは何でしょう。

 

 

ヒントは、サビの部分です。

https://youtu.be/vk0UMqogTP8

分かりましたか?

 

 

さらにヒントです。

 

傾聴すべきポイントは

♩2'02"〜 2回目のサビの後半

♩3'14"〜 3回目のサビ

 

もう一度どうぞ。笑

https://youtu.be/vk0UMqogTP8

 

 

ここまで来ても「何のこと?」と感じていらっしゃる方々、分かりにくくてすみません。

試しに演奏している動画を載せました。

 

♩サビ2回目

https://twitter.com/muses531/status/1278949441446141953?s=21

 

♩サビ3回目

https://twitter.com/muses531/status/1278949682580881413?s=21

 

 

本当ならばこれも入れたかったのですが、音の配置的に難しかったパートも聴いてください。

 

♩サビ4回目

https://twitter.com/muses531/status/1278949932481695744?s=21

 

(完成版では、これらのメロディーはマリンバで演奏していただいています。)

 

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ちなみに、ずっと昔からベガサポの父はすぐに気がついてくれましたが、そこまでスタジアムには行かない母には、何回完成版を聴いてもっても伝わらず、、、

ベガルタを知っている方々には、気付いてもらえたら嬉しいなぁ、と密かに思っておりました。

 

 

その他にも、個人的なこだわりポイントとして、前奏、間奏、後奏の全ての雰囲気を変えてみました。

前奏はユアスタに向かう高揚感。

間奏はピアノと原曲の良さを出したかった部分。

後奏はチャントのイメージを強めに。

 

カントリーロード後奏

https://twitter.com/muses531/status/1278952733085560832?s=21

 

 

わたしの専門はピアノ(伴奏、アンサンブル)ですが、いつもクラシックや合唱曲がメイン。

ポップスのアレンジは、今回が初めてでした。

わたしのわがままな相談に乗ってくださった音楽チームの方々には、大変感謝しております。

 

そして何より、リモートでたくさんの人と繋がって1つのものを作ることができて、とっても楽しかったし、幸せでした。

 

 

 

さて、ここまでお付き合いくださった皆様は、きっとまた完成版が聴きたくなったことでしょう。

再びリンクを貼っておきますのでどうぞ。

 

#みんなでカントリーロード 

https://youtu.be/vk0UMqogTP8

 

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以上、ピアノ担当、テトラの戯言でした。

 

一刻も早く、世界が日常を取り戻す日が来ることを、そして、スタジアムでまたみなさんとカントリーロードを歌える日が来ることを、心から願っています。

Country Roads #1

【2月22日】

 

いよいよ今年Jリーグが始まる…!

毎年この季節はわくわくするけれど、今年は新監督のもとでどんなチームになっているのか、新鮮な気持ちが強かった気がする。

 

ところが、悲劇はここから始まった。

ドイツ時間の朝5時に起きてDAZN待機しようとしたら、なんと昨日まで繋がっていたVPNDAZNからブロックされている。

Twitterで調べてみると、海外在住のJリーグサポーターがみんな困っていた。

何とか繋がるものを見つけることができたのは、試合終了のタイミングだった。

 

そこから見逃し配信を3回ほど繰り返してみたのだが、試合自体の印象が弱いのは、やはり海外住みであることに対しての弊害を受けて、かなりショックだったからに違いない。

しかしこの頃、日本へ帰国できる日時も確定。

帰国中に3試合も現地観戦できそうだったので、それを楽しみに思う気持ちでいっぱいだった。

 

 

 

【2月25日】

 

新型コロナウイルスの感染拡大により、3月15日までの公式戦94試合の延期が決定。

当然、落ち込んだ。

とはいえ、この頃はまだ、15日以降になればスタジアムに行けると信じていた。

 

 

 

【2月26】

 

#エアルヴァン杯GL仙台vsC大阪

この時の様子をくわしくまとめているKさんのnoteを拝借。

 

https://note.com/vegaforza/n/nc8255571c8f4

 

Twitterで、サッカーで、つながるサポーターたち。

これは面白いな、と素直に思った。

 

 

 

それから何週間経ったろう。

ベガッ太さんのブログにもあったように、Jリーグのない週末が、当たり前のようになってくることに対して不安や寂しさを覚えた。

https://www.vegalta.co.jp/blogs/vegatta/?p=17775

 

 

 

【5月20日】

 

5月も末に差し掛かる頃、ベガルタのLINEオープンチャットで目にした「#みんなでカントリーロード」の企画に心が揺れた。

そう、みんながサッカーを、Jのある日常を、ベガルタを、心待ちにしていたのだ。

改めてそれを実感したし、この想いを形にして、たくさんの人に届けることができたらなんて素敵なんだろう、と思った。

 

とはいえ、仙台生まれでありながら、ちゃんと試合を観るようになった頃には関東アウェイ組だったわたしにとって、その輪に飛び込むのは少し勇気のいることだった。

ベガルタが好きで、試合にも行くしグッズも買うが、わたしはいつも父と一緒にメインorバック、ひとりの時ならサポ自に行くことがあっても、上の方でぽつんとしているタイプだ。笑

当然、サッカーの知識が豊富なわけでもない。

 

しかし、そんな心配は無用だった。

いざ企画を立ち上げたKさんや、幹事部屋の皆さんと話をしてみると、とてもあたたかく、楽しい気持ちになれた。

それぞれがそれぞれの立場で応援をしていて、ベガルタが好きなことに変わりはない。

この企画を通して、こういう出会いの機会を得られたことにも、本当に感謝している。

 

 

 

デザイナーのいたばしさんや、シンガーソングライターのLihoさんが企画に携わってくださっていることだけでびっくりしていたのだが、そこからの広がりがまたすごいものだった。

音楽の基盤づくりをしているうちに、みるみるうちにサポーターの写真が集まり、音が集まり、ベガルタに関わるスポンサーや地域のお店、有名人の方々などにも波及し、信じられないくらい大きな企画になっていったのだ。

 

 

 

そして、

 

【6月15日】

 

ついに、ベガルタ仙台サポーター有志によって作られた動画、#みんなでカントリーロード が公開された。

 

https://twitter.com/revegalta/status/1272484239238258694?s=21

 

https://youtu.be/vk0UMqogTP8

 

動画公開に際して、ラジオやテレビ、雑誌などにも取り上げていただき、驚いたことは言うまでもない。

 

そして、一番感動したのはこれ。

 

https://twitter.com/kuni32kun/status/1276690710784167936?s=21

 

今回はTwitterでの関口選手の投稿を引用させていただいたが、SNSを通して選手たちから送られてきたこのアンサーソングを見て、「届いたんだな」と嬉しい気持ちになったと同時に、“本物の”『みんなでカントリーロード 』になったことを実感し、胸が熱くなった。

 

 

 

【7月4日】

 

いよいよ明日、無観客のリモートマッチとはいえ、J1が再開する。

先週末にはJ3とJ2が再開幕し、どの試合を観ようかと悩めることに喜びを感じていたが、やはり、ベガルタの試合を観ることができると思うと心が躍る。

 

第二波の襲来や、いつおさまるのか分からない不安ももちろん払拭できない環境ではあるが、やっとここまで辿り付くことができたことに喜びを隠せない。

がんばっている人たちへの感謝の気持ちも忘れず、自宅から、精一杯の気持ちを込めて、応援したいと思う。

 

 

 

 

一連の出来事を、備忘録としてまとめておく。

Little Women

今日はこれを観てきた。

 

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姉妹それぞれが主人公で、男性的でも女性的でもあって、音楽も映像も、そして常に見惚れるほど素敵な衣装も…… とにかくとても良かった。

大好きな物語が、この映画のおかげでますます宝物のようにキラキラになった感じがした。

 

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この暖かさと美しさ。それでもって、主人公の印象的な、心に刺さるセリフ。

 

パンフレットも買ったけれどもう一回観たいし、何ならBlu-rayも欲しい。

これは永久保存版だ。

The Night

今、常磐線の特急ひたちに乗って、仙台へ向かっている。

久しぶりの電車はいい。

わたしは普段から分刻みでスケジュールを詰め込んでしまうタイプなので、こういう「無意味な」時間が割と好きだ。

(毎日となると話は別だが。)

 

 

実は今年の3月にも、全線開通したばかりの特急ひたちで仙台まで遊びに行ってきた。


そこから3ヶ月。

緊急事態宣言やら外出自粛やらでどこへも行けず、街も閑散としていたところから、少しずつまた人の足が外へと向かっても良い雰囲気になってきたところだ。


春は友達に会うために仙台を訪れたのだが、今回の目的は2つ。

ドイツに帰る前に、建て直していた家が完成間近となった祖父母と叔父家族に会いに行くこと。

そして、#みんなでカントリーロード で一緒に想いを形にしてきた仲間に会いに行くこと、だ。


#みんなでカントリーロード の件については、長くなりそうなのでまた改めて書くとして…。

 

 


今回日記を開いたのは、常磐線開通に伴い、震災から9年経ったいま思うことを、書き残しておこうという思いつきだ。

というのも、コロナウイルスで世界が混乱している最中、Twitterで「#そういえば あの日何をしていましたか」という、NHK東日本大震災・伝承プロジェクトという企画を発見して、改めて思い出すことがあったからだ。


#そういえば 震災伝承プロジェクト

https://www.nhk.or.jp/sendai/311densho/souieba/

 

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ちなみに、わたしが3月に投稿した文章はこちら。

 

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3.11だとか、東日本大震災だとかいう言葉を聞くと、まぶたの裏に焼き付いているあの日の星空を思い出す。


夕方から夜になる頃、近所に住む小さな子たちと一緒に見ていた星空は、まだ冬の星たちがその姿を見せていて。

何気なく星座や宇宙の話をしたら、みんな楽しそうに、目をきらきらさせて聞いてくれたっけ。


その夜は眠れず、何となく夜の星を眺めにもう一度外に出た頃には、乙女座のスピカが昇ってきていた。


あの時の気持ちは上手く言葉にできないのだけれど。

青白く輝く宇宙は相変わらず謎に包まれていて、それがたまらなくこわくて、けれど、夜はとても穏やかで、そして優しかった。

 

 

それから数日間は、毎晩祈るような気持ちで星空を見上げていた気がする。

寒空の下で震えている人たちがいるのに、わたしなんかがあたたかい布団の中で泣くなんて贅沢だ、と思うような気持ちもあった。

人間の弱さを突きつけてくるのも、痛む心を癒してくれるのも、いつだってこの宇宙なのだ。

わたしには、それ以外に、どこへ想いを馳せればよいのか分からなかった。

 


震災から2年半が経つ頃、小学校の同級生から連絡が来た。

震災後、当時の小学生はずっとプレハブで授業をしていたようだったのだが、とうとう校舎の建て直しに着手することになったらしい。


ちょうど小学校が20周年記念を迎えた時、小学一年生だったわたしたちは、タイムカプセルを埋めた。

(わたしの通っていた小学校では、卒業時のタイムカプセル、などといった風習は無かった。だから言葉通り「特別」だった。)

20年後、学校が40周年を迎え、わたしたちが27歳になった時に掘り起こす予定だった。

しかし、校舎の建て直しに際して、歪んだ地盤を元に戻すためにも、予定より早くタイムカプセルを掘り起こさなければいけなくなったのだ。

 

 

掘り起こす日は伴奏の本番と重なってしまって行けなかったのだが、なんと偶然にもその日の最後の曲が「花は咲く」だった。


「花は咲く」の作者である菅野よう子さんは「100年経って、なんのために、あるいはどんなきっかけで出来た曲か忘れられて、詠み人知らずで残る曲になるといいなあと願っています」と語っていたそうだ。

「最初は私自身がどう感じていいのか、どう考えていいのかわからないっていうくらい混乱した気持ちだったので、とにかく『私は今も元気でやっています』というのを、この世にいなくなった人たちに伝えるというような気持ちで作っていました。」

(引用:https://www.nhk.or.jp/ashita-blog/100/300096.html

 

 

掘り起こされたタイムカプセルの中身はと言うと……

津波のせいか、日常の雨が原因か、分からないけれど、中身がびしょびしょだったそうだ。

みんなが書いた作文は剥がしてもほとんど読むことができないほどで、図工の作品も原型を留めていないものがほとんどだったらしい。


その場にいた人たちはもちろん、SNSを通して報告を聞いていたわたしたちの誰もが、

きっと、わたしたちが過ごした学校や、思い出の詰まった景色が消えていく寂しさをひしひしと感じていた一方で、

それ以上に「みんな無事で良かったね」と思っていたことは間違いなかった。

 

 


本来タイムカプセルを掘り起こすはずだった27になる年の春。

久しぶりに訪れた小学校の周りは、まるで違う風景へと変わり果てていた。


その有り様を見て、やはり寂しさや、心苦しさを感じつつも、それでも「ここがわたしの故郷なんだな」と強く思うのはなぜだろう。


今回もまた、電車の中から見える水田や、山際にかかる雲を眺めているだけで、いろいろな思いがこみ上げてくるのはどうしてだろう。

 

 

 


わたしはいまも元気でやっています。

そうか、それで良いのかもしれない。


あれから思考や価値観が変わりました、なんてことが言いたいのではない。


もちろん日々に感謝することは大切だし、いつ死ぬか分からない人生ならなんだって挑戦してみよう、とは思って生きている。

震災での東北の様子を少し離れたところで見ていたわたしは、宇宙の中でどんなに無力でも、失敗しても、不幸に陥っても、人類には再び立ち上がれる強さがあることを実感した。

 

 

それでも。

何が変わっても。

いまのところ、夜は、毎日変わらずやってくる。

少なくともわたしが生きている間は、おそらくそうであろう。


こわくて眠れない日もあれば、もう明日が来なくても良いのにと思うほど幸せなきぶんで眠りにつける日もある。


どんなわたしも包み込んでくれる夜は、やはり総じて、優しいな、と思う。

今夜は曇り空になりそうだが、雲の向こうでは、あの日と同じように、星が輝いている。

 

 

あの日の星空は忘れない。

けれどわたしは、これからも毎晩、ずっと、同じ星空を見続けるのだろう。

 

そんな日々が、淡々と、続いていくといい。

 

 

 

 

関連

 

2011.3.15の日記

https://muses531.hatenablog.com/entry/2011/03/15/061613

 

2013.8.10の日記

https://muses531.hatenablog.com/entry/2013/08/10/072625

Google Classroom

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オンライン授業のために買ってしまったMacBook

今までずっとiPadをパソコンがわりにしてきたため、やはり使い勝手が良い。

そして何より、美しい。

 

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今日のmeet授業は、なかなか手応えがあった。

みんな身を乗り出して画面を見てくれていた。

たくさん発言もしてくれた。

尚更、対面で実験したいなとは思ったけれど。

日進月歩、なのだと思う。

over him

東北には他所からの感染者がいないからか、みんなまだのんびりしている雰囲気があった。

今回、土浦から仙台ってこんなに近かったんだなと思ったのには、常磐線が開通したという理由だけでなく、ドイツと日本の距離を身体が覚えたから、というのもあると思う。

 

 

 

「昔から、心細くなると水辺に来たくなる」

と彼は言った。

 

夜の広瀬川

ヒールが土に埋まってうまく歩けない。

 

張り切りすぎず、でも適度にお洒落をしてきたつもりだ。そんな彼女にこんなところを歩かせるなんて、と思いつつも、桜の木も、街灯が少なくて真っ暗なところも、子どもの頃から毎日見ていた鉄塔も、ロマンチックに見えた。

柄にもなく彼の前ではしゃいでしまったし、久しぶりに会って、真剣な話もたくさんできた。

 

 

 

しかし、そんな夢のような時間は、あまりに呆気なく消えてしまった。

ほんとうに“夢”のように、一瞬で過ぎていったように思える。

 

プロポーズからの、一日経って「やっぱり無かったことにして」なんて信じられる??

せっかく、こんなわたしでもようやく結婚できるのかな、って、とても心強い気持ちになれたのに。また白紙に戻ってしまった。

 

高校の時、お互い気があるのを知っておきながらあえて違う道を選んだあの頃の私たちの方が、大人だったのかな。

あれから疎遠だったけれど、8年ぶりにたまたまヨーロッパで再会して、一気に盛り上がって…。

出会うには、私たちは、まだまだ若過ぎた。

 

 

 

一晩経って、今日改めて気付いたことが一つあって。高校時代の友人であれば、初めから、わたしが抱えている大きなデメリットを知った上で付き合ってくれているのだ、という事実。

急だったにも関わらず、彼のプロポーズに迷わずイエスと言えたのはその点も大きい。彼は、わたしが唯一そのことを話せた友人だった。

逆も然り、だと思う。彼にとっても、私はそういう存在だったのではないか、と思う。

全てを受け止めてくれとは言わないけれど、今後誰かを好きになったとして、わたしはそれをゼロから話していく気力があるかな。

 

 

あまり話しているとこちらも感情的になりそうだったので、理由もほどほどにしか聞かず、泣きも怒りもせず、すごく大人な感じで電話を切ったつもり。

けれど、それにしても、あの真剣な告白は、一体何だったのだろう。

 

悔しさとも、怒りとも言えぬ。強いて言えば驚きに近い、春の風のように生暖かくて、夜の暗さを孕んだように空虚な感情が、身体中にじわじわと広がっていくのを感じる。

 

 

 

朝起きて、せっかくもらった珈琲豆で美味しいコーヒーを淹れようと思ったのに、フィルターの残りが無いことに気がついた。

ちょっと落ち込んだけれど、キッチンペーパーで代用したらまぁ何とかなったのでよしとしよう。

 

春のブレンド、美味しいなぁ。今回は一緒に過ごした時間で言えば短かったから、すぐに立ち直れるかなぁ。

 

 

お裾分けにいただいたチューリップがほんとうに可愛らしくて。

そして親友からの言葉が嬉しくて。

 

今までの経緯やら、ヨーロッパそして仙台で再会という偶然が重なった一連の流れを物語として書きたい。そういう気分。

 

見えつるか  見ぬ夜の月の  ほのめきて

つれなかるべき  面影ぞ添ふ

    ー 式子内親王

 

 

 

よし、もう大丈夫。