その他

自信

ピアノの先生にも言われた。 「自信を持ちなさい」 と。 どんなに素晴らしいピアニストでも、本番前は緊張する。 袖ではいつも、ステージに立つ不安や焦燥との葛藤が繰り広げられている。 けれど、みんな、図太い軸を持っている。 その根拠になっているのが“…

硝子戸の中

今の私は馬鹿で人に騙されるか、あるいは疑い深くて人を容れる事ができないか、この両方だけしかないような気がする。 不安で、不透明で、不愉快に充ちている。 もしそれが生涯つづくとするならば、人間とはどんなに不幸なものだろう。 (夏目漱石・随筆『硝…

皆既月食

21時45.4分 食の始まり 雲の隙間から丸い月がみえる。お願いだからこれ以上曇らないで。 22時00分 食分0.21 地学ノートを片手に空を眺める。 22時20分 食分0.48 半分くらい欠けた。メールしながら、同じ空をみているなんて…。素敵だな。 22時40分 食分0.74 …

パパ、お月様とって!

たった今、宅急便が来て、なぜか父に 「出てきて」 と言われ…… 届いたものは、わたし宛。 それは、父からの誕生日プレゼントでした。 あまりに突然過ぎて、びっくりしています。 丈夫な封筒に入っていたプレゼント。 それは、月の土地です。 父はいつの間に…

月の誘惑

走り出したくなった。 月が、あまりにきれいだったから。 プリズムから覗いたみたいな虹色の環状光が、不気味なほどきれいだったから。 春の夜風を、体中に感じた。 くすぐったくて、心地よかった。

父と原発

地理の授業を思い出します。 黄色チョークで書かれた板書の中には、もちろん 『スリーマイル島』 『チェルノブイリ』 『福島』 という単語も並んでいました。 地図帳をチェックしながら、S先生の話を、他人事のように聞いていました。 これが私にとって、2…

個人的な日記

私が3年前まで住んでいた場所は、津波に襲われた荒浜から2kmも離れていません。 近所にいた友達は、高校まで津波が来たと言っていました。 ニュースから流れる映像も信じ難いものばかりですが、水面から出た建物の上部をよく見てみると、知っている建物だ…

休止符

私の定位置である保健室の窓側のベッドには、いつも不安ばかりが堆積している訳ではありません。 今日みたいに曇り空がだんだん晴れていく時は、 ベッドの上の布団にさえ優しさを感じられます。 今日は、ピンクのカーテンにかかる陽射しが、とても眩しく感じ…

学校説明会

お疲れさまでした! 参加させてもらって、いろいろと楽しかったです! 中学生の前で話すのは、なんだか不思議な気分でした。 「ぜひ一高に来てください!」 と、本気で言っている自分が不思議でした。 けれど、まさかこんな立場に立てるとは思ってもいません…